光泉大和尚が僧俗の弟子を率い、普陀山を巡拝す

2014年7月2日午前、霊隠寺住職の光泉大和尚が50名余の僧俗の弟子及び雲林ボランティア団の人たちを率い、敬虔と感謝の心をもって、普陀山まで赴き、巡拝した。そして、この自らの敬虔な巡拝を以て、模範を示し、世の多くの人々に四衆弟子の精進、正行、苦行、救済の姿を強く印象づけた。

当日の午前8時半ごろ、光泉大和尚一行は普陀山に到着すると、直ちにそこで待っていた雲林ボランティア団の人たちと合流して、山門から三歩一拝(三歩歩んでは、一回拝すること)を始め、巡拝の古道に沿って、普済寺まで礼拝を行った。連日、普陀山は大雨が降っていたが、当日は朝から雨が止んでいた。しかし空は曇っていたので、雲林ボランティア団の人たちは心の中で、「諸仏の加護と龍天の護法で雨が止み、この巡拝が順調であリますように!」と祈っていた。

「南無観音菩薩…」と唱えながら、三歩一拝すると、この念仏の声が辺りに響き渡った。この念仏は至誠の心からの声である。この心からの声が、龍天を感動させたのか、曇っていた空が間もなく明るくなり、ついに日が出始めた。

しかし、連日の大雨で、山道はじめじめとして、ところどころ水たまりもあった。五体投地する時、水たまりの水か、体の汗か分からないながら、額からは水が流れていた。日が差した山道には、はっきりと両膝をついだ痕が残っていた。周りの観光客や参拝者たちは、面識があろうが、なかろうが、心から歓喜の情を生じ、恭しく合掌しながら、光泉大和尚のために、また、巡拝した四衆弟子の人たちのために、巡拝の通り道を大きく開けていた。

衣を巻いて跪き拝したその瞬間、大和尚は千年の歴史をもつ霊隠寺の住職という尊い身分を捨て、直ちに僧俗の弟子の中に入り込んだ。一身の汗、額づいた額のあと、敬虔な跪き、動揺のないその姿、、、。大和尚はすでに神秘の壇上から降り、今は、ただ普通の出家者、敬虔な修行者となっていた。「願わくは此の功徳をもって、普く一切に及ぼし、我等と衆生と、皆共に仏道を成(じょう)ぜんことを!」、普済寺の円通殿にある荘厳かつ慈悲深い毘廬観音像の前で、光泉大和尚は四衆弟子と共に大きな声で回向した。これは、この度の巡拝の円満であることの表明でもあり、また新たな精進の出発点でもあった。